2020年03月02日更新
皆さんも一度は「地域通貨」を使えるお店を見たことがあるのではないでしょうか。地域通貨は2000年代前半にブームとなり、その後、消滅したものが少なくありません。しかし最近、紙の地域通貨からスマートフォンを活用した“電子”地域通貨がじわじわ増えつつあり、新潟県佐渡市でも始まりました。その理由は一体どこにあるのでしょうか−。
地域通貨稼働数の推移
(引用:日本における地域通貨の実態について―2016年稼働調査から見えてきたもの―)
地域通貨には、地域でしか使えないため、地域からお金が流出しにくくなるというメリットがあり、その特性から全国に広がりました。特に、地域通貨の中で最も成功したと言われているものの一つが、東京・高田馬場商店街で始まった「アトム通貨」です。着実に流通量を増やし、年間の発行額は現在のところ2000万円(2000万馬力)、取り扱いは全国に広がっているものもあります。しかしながら、全国に目を向けると成功している事例は決して多くはありません。
専修大学経済学部 泉留維教授らの調査によると、国内で活動している地域通貨の数は2005年の306をピークに減少を続け、2016年の調査では204となるなど、減少傾向にあります。こうした中、地域通貨を新しく生み出す機運は決して高くはなかったものの、ブロックチェーンなどのテクノロジーを活用して、スマートフォンで電子的にやり取りを行うことのできる電子地域通貨が誕生するなど、改めて全国から注目を集め始めています。