2020年05月18日更新
安倍晋三政権の看板政策である地方創生は2020年3月末で5年計画の第1期が終了しました。地方移住の希望者は増えていますが、今のところ効果は限定的であり、国全体として人口減少の緩和や地方の活性化につながっているとは言い難いのが実情です。こうした中、4月から始まる第2期では、「関係人口」を増やす取り組みや「SDGsの推進」に注力するとしています。その狙いとはー。
(引用:内閣官房・内閣府 総合サイト)
政府によって2015年から推進されてきた「地方創生」。第1期では、初代の地方創生相に石破茂氏を起用し、東京一極集中の是正を前面に打ち出した取り組みを進めてきました。こうした中で、若い世代が地方に住まい、起業をすることで、人生の新たな可能性を探る動きが芽生え、継続して地域との関わりを持つ多様な働き方も見られ始めています。
しかし、残念ながら、人口の東京一極集中は地方創生の推進とは裏腹にこの5年間で加速しています。2018年は東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への転入者が転出者を上回る「転入超過」が約13.6万人。地方創生が始まる前の2014年に比べて2.6万人増えているのです。
地方は人口を少しでも取り戻そうと都会の若者の地方志向に期待し、移住促進を地方創生の柱に据えて、創意工夫を重ねる自治体も数多くあります。しかし、確かに地方移住の希望者は増えていますが、東京への大きな流れを変えるほどではなく、むしろ限られた移住者の取り合いに自治体が力を注ぐ状態となっているのが実態ではないでしょうか。