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農業の干害・高温対策に超吸水性ポリマーを活用 沖縄県で実証実験開始

2023年09月11日更新

PickUp記事:超吸水性ポリマーを使用したさとうきび栽培の実証実験が沖縄県でスタート(SMART AGRI 2023.08.02)

果物の皮などの農業残渣から超吸水性ポリマーを製造・販売するEF Polymer株式会社(https://ja.efpolymer.com/)は、沖縄県南大東村におけるさとうきび栽培に、同社の超吸水性ポリマー「EFポリマー」を使用する実証実験を開始しました。

沖縄本島の東方にある離島、南大東島にある南大東村では、水産業やサトウキビ生産が盛んですが、近年の水不足や肥料価格急騰の影響から、農作物の育成に深刻な影響が出ています。

そこで同社は、土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」を用いた実証実験を南大東島で行うことで、水不足による干ばつが作物の育成に及ぼす影響を調査。

100%オーガニックで環境に優しい土壌改良剤「EFポリマー」により、水資源ならびに肥料の利用効率化を実現して、気候変動等による水不足と言った、農業課題の解決につながることが期待されています。

さらに同社では、渇水や干ばつの影響下にある農家の一助になろうと、今後、日本全国においても同様のサポートを行っていく予定です。

農業用水不足の課題解決に超吸水性ポリマーを使用 南大東島のさとうきび畑で実証実験

 

(引用:南大東村役場公式HP-「島の紹介」より)
沖縄県南大東村におけるさとうきび栽培を対象に、EF Polymer株式会社(https://ja.efpolymer.com/)は、同社の超吸水性ポリマー「EFポリマー」を使用した実証実験を開始しています。

同社「EFポリマー」は、果物の皮など農産物の食べられない部分を原料に製造された農業用製剤のひとつです。

同ポリマーを農地に適用することで、土壌の保水力と保肥力の向上が認められています。

具体的には、

・約40%の農業用水の節約
・約20%の肥料の節約
・10~15%の収量増加

などが期待でき、またその効果は6ヶ月間持続するそうです。(詳細については、EF Polymer株式会社プレスリリース「EFポリマー、水不足が続く南大東島で実証実験を開始 記録的な小雨で干ばつの影響を受ける南大東村でポリマーの効果を実証し、農業における水不足の課題解決を目指す」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000096070.html)

このような高分子吸水材は、紙おむつなどにも利用されていて、高吸水性高分子樹脂(superabsorbent polymer、略称 SAP)や吸水性ポリマーなどと呼ばれています。

農業用地に用いることで、土壌の保水・保肥力を向上させて作物の成長を促し、収穫量の増加につながるほか、灌水や施肥の頻度を減らして人件費等のコストを削減、農業事業者の所得向上にも役立つことが期待されています。

オレンジの皮等、これまで廃棄されてきた資源を活用・アップサイクルした同社の吸水性ポリマーは、100%オーガニックかつ、土壌中で12ヶ月かけて完全分解される生分解性を有するなど、環境に優しいのも特徴です。

今回の実証実験については、農業生産法人アグリサポート南大東株式会社の協力の元、水不足に悩む南大東地域の農業事業者の支援を目的に実施されており、島内の農地で「EFポリマー」を使ったさとうきび育成を行い、その効果を実証するべく、収穫までの間、

・作物の高さ
・茎数
・直径

などを確認するとともに、収穫後には収量に対する効果が調査される予定です。

昨今の気候変動に伴い、降水量の低下や猛暑日の増加等で、渇水や干ばつ、水不足の深刻化が懸念されています。

実際、地域によって、農作物等への渇水対策の負担軽減を目的に、補助金の設置等の緊急支援を行政機関が行っているようです。

このような気候変動の影響を考慮すると、水資源等の効率的な利用法の模索は、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。

土壌の保水力を高める目的で農業用地に適用される吸水性ポリマー 生産性向上も期待